他の分野で活躍している人が小説をかく。その小説が話題となり賞までとってしまう。よくあることだ。ただ全般的に言えることは、そのような人間が描く小説は、単発的なものが多いこと。生きている小説家の楽しみは、次にどんな小説を書いてくるのだろうかの期待である。多少間が空いたとしても。だから一発芸的な小説家の作品を読むことは全くない。
有名俳優であるTom Hanksは小説を書くことでも知られている。ただし上記のような一発芸的なものではなく、ある意味では本物の小説家とも言えるだろう。小説を書き続けていることからも分かるように。
そんな彼が新しい小説を発表した。The Making of Another Major Motion Picture Masterpieceである。読むかどうか現在は思案中なところ。ただ彼がなぜ物語に引き寄せられるのかは、興味があるところだ。
どのようなことなのだろうか。今回の記事ではTom Hanksにとって物語とはどのような意味を持つのか。そのあたりを探ってみたいと思う。
Tom Hanksの小説の特徴は
「映画を制作する理由は、誰もが共感できる未言の真実を捉えたいからだ」。新しい小説中にある言葉（物語の主人公である映画監督の発言）である。小説と小説家の考えを混同するのもどうかとは思うが、このあたりがTom Hnaksの物語に求める価値なのであろう。
私は知らなかったのだが、この新作以前にも小説を発表しておりなかなかの評価を集めていたようだ。どんな作品か。よく知られているのが短編小説集である「Uncommon Type: Some Stories」であろう。17の短編小説集。短編小説集としてはかなりの数である。どんな短編小説が収められているのだろうか。いくつかの要約を書いてみる。
→「三角形の惑星」
この短編小説は、宇宙旅行を題材とした作品である。この物語は、宇宙船のクルーが、惑星の探索ミッション中に変わった現象が起こり、自分たちがいつの間にか三角形の惑星に着陸していることに気づくところから始まる。三角形にある不思議な生命体との出会いを通して、彼らはその惑星に何が起こっているのかを知ることになる。この物語は、科学的な要素と幻想的な要素が組み合わされた特別な世界を描いており、読者を飽きさせることがない。
→「スティーブ・ウィンウッドと恋の軌跡」
この短編小説は、映画製作を題材とした作品である。主人公のアンナは、映画を製作するために多忙な日々を送っている。そんな彼女のもとに、スティーブ・ウィンウッドと名乗る男性から手紙が届く。スティーブは、映画の脚本家として彼女の協力をお願いしているのだ。アンナは、彼の手紙に興味を持ち、彼とのやりとりを通して恋に落ちる。しかし、その恋は現実と理想の間で揺れ動き、最終的には物語の結末が訪れる。
→「祖先の椅子」
この短編小説は、家族を題材とした作品である。主人公のアンディは、祖先から受け継いだ椅子を所有している。ある日、彼の息子のビリーが椅子を壊してしまい、アンディはその悲しみから立ち直れなくなる。それから数日後、アンディは椅子を修理している最中に、祖先との関係を思い出す。そして、彼は椅子が代々受け継がれる家族の歴史を物語るものであり、その家族の中に彼自身も含まれることに気付くのだ。この作品は、家族が持つ特別なつながりを表現しており、感動的なストーリーである。
→「千オクトーバー・ファースト・アベニュー」
この短編小説は、恋愛を題材とした作品である。主人公のアンディは、慣れ親しんだ街で出会った女性サラに惹かれる。彼女が住む「千オクトーバー・ファースト・アベニュー」は、彼女にとって特別な場所であり、彼女が見るもの、聞くもの、感じるものが彼女にしか理解できないものだった。アンディは、彼女との出会いを通して、自分自身が物事を見る視点を変えることになる。この作品は、出会いの素晴らしさを描いたストーリーであり、読者の心を温かくする作品である。
新作への期待
彼の物語には、人々が抱えるさまざまな問題に対するタフな見方と解決策が見え隠れしている。新作はどうか。ネットの評価を見ると評価は分かれているようだ。まだ読むかどうかは決めてはいないのだが、楽しみなところではある。
