想文9月9日:最近読んだ2つの推理小説について

最近2つの推理小説を読んだ。正確に言うと、一つは読み終えて他方は途中で投げ出した。この2つの違いは何か。今日はこのことについて考えてみたい。以下の話はあくまでも自分の感想であり、他人はどうか知らない。自分の好きな作家にケチをつけられた。人によってはそう思うかもしれないが、赤の他人の話である。そうそうムキになることもないであろう。

2つの小説。Michal ConnerllyのBlackBoxとSandra Brownのthe witnessである。両方ともAmazonで購入したのであるが、読んだかどうか覚えていない。最近Kidleのライブラリーを見直しているのだが、その時目についたのがこの2つの小説なのである。

推理小説の話をする際に難しいのは、その小説のあらすじ的な話をどの程度して良いのかどうか。種明かし的なことは御法度であることは承知。では。自分が気に入ったところ、どうもダメだったこと。そのあたりの話ならば無難であろう。

読み終えたのはConnerllyのもの。随分と読み進めたのだが(420ページの300ページほど)途中でやめたのがSndra Brownのものである。

実務的な書物は別として、私がもっぱら読んでいるのが推理小説である。この推理小説であるが、自分にとっては当たり外れが大きい。昔はせっかく購入したのだからつまらなく思っても最後まで読んでいたのだが、流石にこの年になるとそんな時間的な余裕はない。できれば常に自分にとって面白いものを読みたいのだが、これがなかなか難しいことである。

分別が簡単にできる良い方法はないか。最近は随分とこのことを考えていたのだが、今回の経験で一つのヒントが得られたと思う。そのことをこれから語るのだが、このヒントは単に推理小説のことだけではなく、他の分野にも活用できそうなのが、自分としては楽しいところだとも思えのだ。

本題である。推理小説の面白みとは何か。それはリンクを探すことである。その筋道がはっきりとわかったのがBlack Boxなのである。あらすじは語らないと書いたが、それもなかなか難しい。種明かし的なことが書かれるならば勘弁してほしいところだ。

Cold Case。日本語ならば塩漬けの事件といったところか。未解決事件のことである。この未解決事件が推理小説の主題になることは最近は多い。科学的な操作の手法(例えばDNA鑑定など)の発達により過去の事件が再検討される。リアルなものとして。推理小説の主題としても効果的なものだ。

ロスの暴動を覚えている人もいるかもしれない。無罪判決に怒った人々の騒動。死者もかなりの数になった。Black Boxの事件が発生するのもこの時。シリーズとして馴染みが深いBoshが最初に担当したのだが、別の事件に駆り出されこの事件を直接的に担当することはなかった。ずっと気になっていたこと。

Cold Case担当の刑事となり、20数年ぶりにこの事件を担当することになる。あるいは再調査したいと思う。再調査の手掛かりは殺人となる銃から発射された弾痕だけ。科学操作の進展で弾痕から銃がわかるようになった。ベレット。イタリア製の銃である。イタリア製の銃がなぜロス騒動での女性ジャーナリスト殺人の凶器となったのか。話は湾岸戦争まで広がり、リンク探しが進行する。

リンクからリンク。リンクの発見から事件の展開。自分が推理小説で面白いと思うものは、全てこの原理で展開しているものだ。これがわかったわけだ。例えば松本清張の「ゼロの焦点」。推理小説はもっぱら英語で書かれたものを読んでいる。ケチくさい根性。英語の勉強と小説を楽しむことが両立できるから。

松本清張のゼロの焦点も英語に翻訳されたものを読んだ。その時読んでいた英語の推理小説がどれも面白くないので、思いついたのだが。

面白いと思った。ただその時は面白い理由がわからなかったのだが。今回の件でよくわかった。面白いのリンク。読み手としてもそのリンクを探す楽しみ。

Sandra Brownの今回読んだ小説。他の小説のことは知らないが、このリンク探しについては面白みがない。だから途中でやめたのである。そもそもリンク探しの要素が全くないからかもしれない。

先に話しておいたこの推理小説の特徴(自分が気にいったもの)が他の分野でどのように応用できるのだろうか。

本当かどうかは知らないが、これからの社会では従来的な処理能力人間よりも創造力人間が価値があると言われている。そのことに反応してか、その種の記事や本が多い。大体のところ共通しているのは、創造力とはいくつかの要素を組み合わせて新しいものを作り出すものだと。

確かにそうかもしれないが、具体的にその組み合わせについて語っている情報は皆無である。単なる人の意見の受け売り。そんなものが多いのでは。何かを作った経験もないものが創造力について語っている。滑稽なことである。

要素の組み合わせとは一体何か。まずは組み合わせには2種類のものがあること知ることが出発点となる。ほとんどの関連書籍でこのことを語っているものはないのだが。

一つは、要素を選ぶ順序が重要なもの。他方が要素の集まりから特定の集まり(6つの要素から2つの要素を選ぶ。6つの要素には同じものがいくつかある)を選ぶ方法。この2つである。

2つの小説はどうか。Black Boxは明らかに前者のもの選ぶ順序が重要なものである。Witnessはどうか。殺人、秘密の集まり、出生の秘密などなど多様な要素があるが、こちらは後者である。要素がランダムに選ばれるのである。

どちらのリンクを選ぶか。そしてその選んだ結果はどうなるのか。私は知らない。しかし何をするにしてもこの2種類のリンクを考慮することは大事なことだと思う。後は各自が実践してみること。想文として何か語ることがこれからできると良いのだが。どうであろうか。